RightTouch Blog

Yuto Akagi

Haruki Kawashita

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Aaron Madlon-Kay

Tomoaki Oiki

Yuma Takeuchi

RightTouch Blog 編集部

Daichi Kanke

Yuichi Yabu

<p>こんにちは、RightTouchでプロダクトエンジニアをしている赤木です。</p>
<p>5月23日・24日、ベルサール神田にて開催された TSKaigi 2025 に現地参加 &amp; 登壇してきました。</p>
<h2>TSKaigiとは</h2>
<p>TSKaigiは、TypeScriptに関する日本最大級のカンファレンスです。</p>
<p>TSKaigi 2025は、オフライン会場に加えオンラインでの同時配信もあり、2日間にわたるイベントでした。</p>
<p>会場には600人を超える人々が来場し、三つのセッションルームと数多くの企業ブースで大いに盛り上がっていました。</p>
<p><a href="https://2025.tskaigi.org/">https://2025.tskaigi.org/</a></p>
<h2>登壇への経緯</h2>
<p>私は今まで登壇経験がほとんどありません。</p>
<p>TSKaigiほどの規模になると「自分なんて」という気持ちがあり、登壇など考えたこともありませんでした。</p>
<p>しかし、社内の発信活動や「コンフォートゾーンを超え続ける」というRightTouchのカルチャー、社内メンバーの後押しもあって、TSKaigiでのLT登壇につながりました。</p>
<p>私が所属するRightTouchでは、基本的にフルTypeScriptで開発をしています。フロントエンドはReact、バックエンドはNode、インフラはCDK(TS)といった感じです。</p>
<p>そのため、TypeScriptに関する情報発信・共有や交流を目的として、TypeScriptの大規模なイベントであるTSKaigiにCFPを提出してみることになりました。</p>
<p>個人的に興味があったWasmやRustを絡めた内容での発表をしてみようと思い、Wasm x TypeScriptでCFPを提出し、見事採択されました。</p>
<h2>登壇当日</h2>
<p>私の登壇はDay 1の夕方、アセンドトラックで行いました。</p>
<div><div style="left: 0; width: 100%; height: 0; position: relative; padding-bottom: 52.5%; padding-top: 120px; margin-bottom: 16px"><iframe title="Wasmを用いて他言語資産をTypeScriptで活用する | TSKaigi 2025" data-iframely-url="https://cdn.iframe.ly/api/iframe?app=1&url=https%3A%2F%2F2025.tskaigi.org%2Ftalks%2Fyutoak&key=878c5bef402f0b2911bf6d4ce6261abd" style="top: 0; left: 0; width: 100%; height: 100%; position: absolute; border: 0;" allowfullscreen></iframe></div></div><script async src="https://cdn.iframe.ly/embed.js" charset="utf-8"></script>
<p>発表内容は、いろんな言語で書いたコードをWasmにコンパイルして、そのWasmからjcoというツールでTypeScript用のコードを生成し、TypeScriptからそのWasmを使う方法の解説と具体例の紹介です。</p>
<div style="left: 0; width: 100%; height: 0; position: relative; padding-bottom: 56.1972%; margin-bottom: 16px"><iframe title="TSKaigi2025_Wasmを用いて他言語資産をTypeScriptで活用する.pdf" src="https://speakerdeck.com/player/68e7a6c368c2406e8aef6813701049d0" style="top: 0; left: 0; width: 100%; height: 100%; position: absolute; border: 0;" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div>
<p>この登壇経験を通して、積極的に技術発信活動をしていきたいと強く感じました。自分の知識を整理し、アウトプットすることで自分自身の理解も深まることを実感しました。</p>
<p>学んだ技術を実際のプロダクト開発に活かしていくことで、より良いプロダクトを作っていきたいです。</p>
<h2>TSKaigiを満喫した2日間</h2>
<h3>企業ブースでの交流</h3>
<p>企業ブースエリアには20近くの企業がブースを出していて、各企業のブースでスタンプを集めて回るとくじが引けるというスタンプラリーもありました。</p>
<p>各企業のブースでは、TypeScriptに関するアンケートやクイズ、診断などがありました。</p>
<p>いろんな企業のエンジニアと話をしたり、各企業のプロダクトを知ることができました。</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/1d5a5d6d-3de3-4a2c-a477-1cf1658cddd5/250616-01.jpg" alt="TskaiGi2025のスポンサーラリースタンプカード。各マスにカラフルなシールやロゴが貼られており、すべて集めると抽選に参加可能"></p>
<h3>豪華な駅弁でエネルギー補給</h3>
<p>2日間とも豪華な駅弁とお茶が用意されていました。</p>
<p>お弁当の数に余裕があったのか、二つ目もどうぞ〜というアナウンスもあり、二日目は私も二ついただきました。おいしかったです。</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/288ea2e7-91ec-4cda-b92c-d2fea918ba2e/250616-02.jpg" alt="牛たん弁当と銀だら弁当"></p>
<h3>懇親会で広がるエンジニアの輪</h3>
<p>懇親会には数えきれないほど多くの参加者がいて、大いに盛り上がっていました。</p>
<blockquote class="twitter-tweet" data-dnt="true" align="center"><p lang="ja" dir="ltr">【<a href="https://twitter.com/hashtag/TSKaigi2025?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#TSKaigi2025</a> 終了しました】<br><br>🎊無事すべてのコンテンツが終了いたしました🎊<br>様々な形で多くの方にご参加いただきました❗️<br>ありがとうございました‼️<a href="https://twitter.com/hashtag/TSKaigi?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#TSKaigi</a> <a href="https://t.co/wEjCS7rhky">pic.twitter.com/wEjCS7rhky</a></p>&mdash; TSKaigi (@tskaigi) <a href="https://twitter.com/tskaigi/status/1926234689682939990?ref_src=twsrc%5Etfw">May 24, 2025</a></blockquote>
<script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>
<p>立食ビュッフェ形式で、たくさんの料理に加え、お寿司やケーキなども用意されており、どれもおいしかったです。</p>
<p>ドリンクもたくさん用意されていて、TSKaigi専用ビールも提供されていました。</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/91c065d6-b539-4805-9a80-232e640febd1/250616-03.jpg" alt="TskaiGi2025のロゴが入ったフルーツたっぷりの大型ケーキ。鮮やかなフルーツとホイップクリームが印象的"></p>
<p>他の登壇者や来場者の方々とも積極的に会話することができ、様々な技術的な話や経験談を聞くことができました。</p>
<p>普段なかなか会うことのできないエンジニアの方々と直接交流できる貴重な機会で、刺激的な時間を過ごすことができました。</p>
<h2>さいごに</h2>
<p>TSKaigi 2025は、私にとって忘れられない2日間となりました。この規模のカンファレンスでの登壇は初めての経験で、正直なところ緊張しましたが、それ以上に得るものが大きい貴重な体験でした。</p>
<p>登壇を通して、自分の知識を整理し、多くの方に伝える難しさと楽しさを実感しました。また、他の登壇者の方々の発表からも多くの学びを得ることができ、TypeScriptコミュニティの熱量と技術レベルの高さに改めて感動しました。</p>
<p>この経験を機に、今後はより積極的に技術発信活動に取り組んでいきたいと思います。学んだことをアウトプットし、コミュニティに貢献することで、自分自身の成長にもつなげていきたいです。</p>
<h2>積極採用中！</h2>
<p>RightTouchではコンフォートゾーンを超えてカスタマーサポート市場の改革に挑むプロダクトエンジニアを採用中です！</p>
<p>もし興味があれば、ぜひお話ししましょう！</p>
<ul>
<li><a href="https://righttouch.co.jp/recruitment/engineer">エンジニア採用サイト</a></li>
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</ul>


TSKaigi 2025 で登壇しました - Wasmを用いて他言語資産をTypeScriptで活用する -

<p>2025年5月15日、弊社オフィスにて「<a href="https://pesess.connpass.com/event/346505/">Product Engineer Session #2</a>」を開催しました。</p>
<p>Product Engineer Sessionは、単なる技術の共有にとどまらず、<strong>ユーザーに価値を届けるためのフルサイクルの活動</strong>の中で得られた知見や気づきを共有し合う場として設計されています。</p>
<p>今回は3名の登壇者による10分間のライトニングトークと、その後の懇親会を通じて、プロダクト開発に携わる様々な職種の方々が交流を深めました。</p>
<p>第1回に引き続き盛況で、当日は20人近くのプロダクト開発に関わる多様な職種の方々が集まってくれました！</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/2b970833-677b-4250-bb15-de4d865ff5b5/250609-01.jpg" alt="マイクを持つ登壇者がスライドを使ってイベントの案内をする様子。"></p>
<h2>当日レポート</h2>
<p>今回は10分の発表とその後に5分の質疑応答の時間を設ける形式で3人の方に発表していただきました。</p>
<p>質疑応答の時間を設けたのが良かったのか、参加者の方々から登壇者に対する質問がたくさん出ていろんな意見が交わされて非常に盛り上がりました！発表者も質問者も皆さんの熱量がすごかったです。</p>
<h3>LT1: 「事業KPIを基に価値の解像度を上げる」</h3>
<div style="left: 0; width: 100%; height: 0; position: relative; padding-bottom: 56.1972%;"><iframe title="事業KPIを基に価値の解像度を上げる" src="https://speakerdeck.com/player/04ad42b154454601845f3b34d8004acb" style="top: 0; left: 0; width: 100%; height: 100%; position: absolute; border: 0;" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div>
<p><strong>発表者</strong>: 株式会社ニーリー りんさん（<a href="https://x.com/TWBMT?t=rui1k2WwhrsALru5uWgesA&amp;s=09">@TWBMT</a>）</p>
<p>事業のKPIを軸にして、プロダクトが提供する価値の解像度を高めていく取り組みについてお話しいただきました！</p>
<p>開発チームもKPIを追うことで、日頃からKPIを意識するようになり、この機能は「開発するべき価値があるか」を定量・複眼で説明できるようになり、開発案件の価値を明確に捉えられるようになったとのこと。</p>
<p>りんさん自身は、事業KPIを意識することで自分自身の成長や仕事の楽しさにつながったと話してくれました！</p>
<h3>LT2: 「新規事業に特化した開発組織がPMFするまでに取り組んでいること」</h3>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/8f412be0-5406-4a44-8aa3-d4cb2787b0ec/250609-02.jpg" alt="スライドを指しながらエンジニア組織について説明する登壇者"></p>
<p><strong>発表者</strong>: 株式会社Relic ryoobさん（<a href="https://x.com/ryooob">@ryooob</a>）</p>
<p>新規事業の開発組織において、Product Market Fit（PMF）を達成するまでの道のりで実際に取り組んでいる施策や考え方について共有していただきました！</p>
<p>Relicさんでは「フィットジャーニー」に基づいて事業フェーズを定義して、それぞれの事業フェーズで目指すべき状態や、何を実現したら事業フェーズが上がってPMFに近づいていくのかなど、実際に使っている資料を見ながら紹介してくれました。</p>
<p>不確実性の高い新規事業開発における組織運営の工夫や、チーム作りのポイントなど、実践的な知見が多く、会場からもたくさんの質問が上がっていました！</p>
<h3>LT3: 「プロダクト感覚ってなんなんだろうね」</h3>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/0aa17d86-6d13-42b1-ae2b-44a127e777da/250609-03.jpg" alt="「プロダクト感覚ってなんなんだろうね」というスライドを背景に話す登壇者と、それを聞く参加者。"></p>
<div style="left: 0; width: 100%; height: 0; position: relative; padding-bottom: 56.1972%;"><iframe title="プロダクト感覚ってなんなんだろうね" src="https://speakerdeck.com/player/f3af3697193a4b1c8c77b25cad0015d5" style="top: 0; left: 0; width: 100%; height: 100%; position: absolute; border: 0;" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div>
<p><strong>発表者</strong>: 株式会社RightTouch yabuさん（<a href="https://x.com/yabuchin%5Fy">@yabuchin_y</a>）</p>
<p>RightTouchでは「プロダクト感覚」という言葉がよく使われるとのことでしたが、この正体を探る発表をしていただきました。</p>
<p>「プロダクト感覚」に含まれる要素を整理して、「課題から要件、要件から仕様を生み出すときのスキルの総称」がプロダクト感覚で、プロダクトエンジニアが価値あるプロダクトを作る上での判断基準になる非常に重要なものと話してくれました。</p>
<p>0→1の開発経験を積むことやいろんなプロダクトに触れることで「プロダクト感覚」は磨かれていき武器が増えていくということで、会場では共感の声が多かったです！</p>
<h2>懇親会での交流</h2>
<p>発表後の懇親会では、参加者同士が活発に交流を行いました。各社のプロダクト開発における課題や取り組み、エンジニアとしてのキャリアについてなど、様々なテーマで議論が交わされました。</p>
<p>前回同様、解散時間を過ぎてもしばらく盛り上がっていました！</p>
<h2><strong>参加した方の声(一部抜粋)</strong></h2>
<blockquote class="twitter-tweet" data-dnt="true" align="center"><p lang="ja" dir="ltr">大変おもしろいイベントでした！<br><br>登壇者の皆様、運営のRightTouchさん、<br>お話できた方、お話できてない参加者の皆さま<br><br>ありがとうございました！<br>第三回は予定調整してぜひ伺いたい！<br><br> <a href="https://twitter.com/hashtag/PdESession?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#PdESession</a></p>&mdash; みきてぃ / きたはら (mkitahara) | EM 中心にいろいろ (@mikity01985) <a href="https://twitter.com/mikity01985/status/1923013618834067672?ref_src=twsrc%5Etfw">May 15, 2025</a></blockquote>
<script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>
<blockquote class="twitter-tweet" data-dnt="true" align="center"><p lang="ja" dir="ltr">プロダクトエンジニア、自分の作るものに圧倒的に納得感がありそうですごい、責任も伴うんだろうけど、そうあるべきだね<br> <a href="https://twitter.com/hashtag/PdESession?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#PdESession</a></p>&mdash; うにすけ (@uniuni__8282) <a href="https://twitter.com/uniuni__8282/status/1922980660983067018?ref_src=twsrc%5Etfw">May 15, 2025</a></blockquote>
<script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>
<blockquote class="twitter-tweet" data-dnt="true" align="center"><p lang="ja" dir="ltr">PdM と PdE の差のひとつに時間を一次情報と実装のどちらに振るかのグラデーションがあると思ってるんだけど、カオス期だと求められるバランス感も違うかもだし、より振り切ったバランス感もいるのかも👀👀<a href="https://twitter.com/hashtag/PdESession?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#PdESession</a></p>&mdash; りん (@TWBMT) <a href="https://twitter.com/TWBMT/status/1922976735311667695?ref_src=twsrc%5Etfw">May 15, 2025</a></blockquote>
<script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>
<h2><strong>Product Engineer Session #3やります！</strong></h2>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/5ba657df-9811-47dc-bdd3-dd46940d0a26/5e69f9fed97eb36a90f2059a94574c13.png" alt="「PRODUCT ENGINEER SESSION #3 プロダクトエンジニア セッション」2025年6月26日（木）19時30分よりRightTouchオフィスで開催の告知画像"></p>
<p>Product Engineer Session #2は参加者から登壇者への質問が多く、登壇内容をより深く掘り下げたり、登壇者と参加者がインタラクティブに意見を交わしたり、より深い学びの場を作ることができたと感じています！</p>
<p>そしてそして、第3回の開催も決定！すでにLT枠、参加枠ともに多数申し込みいただいており今回も盛り上がること間違いなしです！</p>
<p>まだ枠に余裕があるので今のうちにぜひ申し込みください！</p>
<p><a href="https://pesess.connpass.com/event/355670/">https://pesess.connpass.com/event/355670/</a></p>
<h3>最後に</h3>
<p>RightTouchではカスタマーサポート市場の改革に挑むプロダクトエンジニアを採用中です。</p>
<p>もし興味があれば、ぜひお話ししましょう！</p>
<ul>
<li><a href="https://righttouch.co.jp/recruitment/engineer">エンジニア採用サイト</a></li>
<li><a href="https://righttouch.co.jp/jobs/engineer">エンジニア求人情報の詳細</a></li>
<li><a href="https://speakerdeck.com/righttouch/righttouch-company-deck-ver1-dot-0">Company Deck</a></li>
</ul>


プロダクト開発に関する知見を共有「Product Engineer Session #2」を開催しました

<h2>はじめに</h2>
<p>ボイスボットはユーザーと音声で対話するAIシステムであり、カスタマーサポート分野を中心に幅広く活用されているソリューションのひとつです。特に24時間365日稼働する電話対応サービスでは、サービスの可用性と品質が非常に重要です。</p>
<p>RightTouchでも、<strong>RightVoicebot by KARTE（β版）</strong> を提供しており、顧客体験の向上に貢献する音声チャネルの自動化に取り組んでいます。</p>
<p><a href="https://righttouch.co.jp/news/UmmmSdRh">プレスリリースはこちら</a></p>
<p>しかし、音声インターフェースはWebなどの文字ベースのUIと比較して外部からの動作検証が難しく、特に電話においては以下のような音声固有の課題があります。</p>
<ol>
<li>入力の不確実性: ネットワーク品質が音声品質に影響を及ぼすため、常に同様の入力をボイスボットに与えることが困難です。</li>
<li>音声認識の不確実性: 音声認識エンジンは、分析された音声スペクトグラムから特徴量を抽出しそれを確率モデルを用いて判定を行うため出力が不安定になります。この問題は、ボイスボット本体とその音声を検証するテストランナーの両方に存在します。</li>
</ol>
<p>さらにボイスボットは、内部的には「正常に動作している」ように見えても、実際の通話においては音声が再生されない、認識がうまくいかないといった問題が発生していて検知できないケースがあります。</p>
<p>このように、ユーザーとの電話を通じた音声体験はブラックボックスに埋もれやすく、内部メトリクスだけではその品質を保証しきれません。</p>
<p>そこで私たちは実際の通話経路を通じてボイスボットの応答を確認する外形監視を構築し、ユーザー視点での品質の担保を行なっています。</p>
<p>本記事では、その外形監視システムの概要と、運用における工夫や課題への対応について紹介します。</p>
<h2>システム概要</h2>
<p>私たちが実装したボイスボット外形監視システムは定期的にプログラムから電話発信を行い、その応答を自動的に評価しています。</p>
<h3>発信</h3>
<p>実際の発信は、テレフォニーAPIを用いて行います。</p>
<p>テレフォニーAPIとは、プログラムから電話の発信・着信などの電話機能を制御できるようにするクラウド上のインターフェースのことで、代表的なものにTwilioが存在します。</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/c5d545ba-5e65-4297-b60d-622e8b237eb2/voicebot-monitoring-01.png" alt="外形監視用テストランナー、テレフォニーAPI、ボイスボットサーバーが矢印で接続されたシステム構成図。外形監視用テストランナーからテレフォニーAPIへ発信リクエストが送信され、音声パケットが双方向でやり取りされる。テレフォニーAPIはボイスボットサーバーとも同様に接続され、発信と音声パケットが矢印で表現されている"></p>
<p>※図では省略していますが、実際にはボイスボットサーバーもテレフォニーAPIを用いて電話を受けています。</p>
<h3>入力の不確実性に対するアプローチ</h3>
<p>通話の品質やラグなどにより、テストプログラムが送出した音声が正しくボイスボットに伝わらないケースがしばしばあります。</p>
<p>この「入力の不確実性」に対応するため、テストは複数回リトライする設計にしています。具体的には、初回の失敗後に数回再試行し、連続して失敗した場合のみ「テスト失敗」とみなします。</p>
<h3>応答の評価</h3>
<p>応答評価は以下のステップで行われます：</p>
<ol>
<li>音声認識：ボイスボットからの音声を音声認識エンジンにかけて文字起こし</li>
<li>編集距離の計算：認識結果と期待する結果との編集距離を求める</li>
<li>類似度の算出：編集距離を正規化し、一定の類似度以上なら成功と判定</li>
<li>リトライ評価：失敗した場合もリトライを実施し、連続失敗時に最終失敗と判断</li>
</ol>
<p>ここで使用している編集距離の算出方法は以下のようなコードになります。</p>
<pre><code class="language-tsx">// getEditDistanceは2つの文字列間の編集距離（挿入・削除・置換の最小操作回数）を計算する関数
const editDistance = getEditDistance(recognized, expected);

// 編集距離を最大文字列長で割ることで正規化し、1に近いほど期待通りの応答だったと判断できる
const similarity = 1 - editDistance / Math.max(recognized.length, expected.length);
</code></pre>
<p>この手法を用いることで、たとえ数文字の誤認識があっても過剰なな失敗判定を避けられます。</p>
<h3>テストケース</h3>
<p>テストケースとしては、以下のような主要なシナリオをカバーしています。</p>
<ul>
<li>ユーザーの発話をボイスボットがオウム返しする</li>
<li>ダイヤルパッド入力への応答を確認する</li>
<li>入力が無いまま一定時間経過する（タイムアウト）</li>
</ul>
<h3>外形監視失敗時のオペレーション</h3>
<p>テスト結果は Datadog に集約され、ダッシュボード上で可視化されます。</p>
<p>サービスの性質、障害の影響範囲は大きく、即時の検知が必要なので各チャネルに通知を行なっています。Slackをはじめとして、即時で気づくことが難しいためPagerDutyを用いて電話、SMSでも通知される形になっています。</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/d19942d8-6029-4996-bab0-1694e7b143ae/voicebot-monitoring-02.png" alt="外形監視用テストランナーがDatadogに失敗通知を送信し、DatadogがSlackとPagerDutyに通知を送信するシステム構成図。PagerDutyは電話やSMSを通じてエンジニアに通知を行う。各コンポーネントは矢印で接続され、システム内の通知の流れが示されている"></p>
<h2>おわりに</h2>
<p>RightTouchではカスタマーサポート市場の改革に挑むプロダクトエンジニアを採用中です。<br>
もし興味があれば、ぜひお話ししましょう！</p>
<ul>
<li><a href="https://righttouch.co.jp/recruitment/engineer">エンジニア採用サイト</a></li>
<li><a href="https://righttouch.co.jp/jobs/engineer">エンジニア求人情報の詳細</a></li>
<li><a href="https://speakerdeck.com/righttouch/righttouch-company-deck-ver1-dot-0">Company Deck</a></li>
</ul>


24時間安定稼働のために：ボイスボット外形監視システムの構築と運用

<h2>はじめに</h2>
<p>こんにちは。<s>アニメでチ。を見てつい原作まで買ってしまった</s>RightTouchでCustomerEngineerをしている川下です。</p>
<p>早いもので、<a href="https://blog.righttouch.co.jp/slack-app-with-craft-functions">入社直後にブログ記事を書いて</a>から半年以上が経過しました。<br>
半年というと、漬け始めた梅酒がもう飲み頃になっているくらいの期間です。梅酒を漬けたことはないのでわかりませんが。</p>
<p>今回、テックブログを運営しているメンバーから「エンジニアがコンタクトセンター見学（以後、「センター見学」）をして感じたことについて書いてほしい」という依頼があり、久々に筆を取りました。</p>
<p>前回は試用期間中の執筆だったため下手なことはかけませんでしたが、無事試用期間を乗り越え自由を手にしたこの身は、自由な文体でこのブログという大空を飛び回りたいと疼いております。</p>
<p>ということで、旅を始めましょう。</p>
<h2>そもそもなぜセンター見学をしてるのか？</h2>
<p>飛び立つ前に、まずはビジネスマンらしく前提と目的の整理からです。</p>
<p>弊社では月~2回程度の頻度で、クライアントに依頼しコンタクトセンター見学をさせていただいています。</p>
<p>クライアントの電話応対やチャット応対のログを見せてもらったり、実際にオペレーターの方が応対をされているデスクやPCの画面を見せてもらったりと、内容はまちまちですが毎回<strong>顧客対応されている現場を見る</strong>ということをさせてもらっています。<br>
※もちろん、情報管理には十二分に気をつけた上で実施しています</p>
<p>１回の見学でお邪魔する人数は数人程度ですが、このセンター見学には職種関係なく参加しています。</p>
<p><strong>セールスもサクセスもエンジニアもアクセラレーター（管理部門の弊社での名称）も、全員等しく参加します。</strong> それも１回で終わりではなく、何度も異なるクライアントのセンター見学に行くのが通例です。</p>
<p>目的はいくつかありますが、やはり質と量に優れた一次情報を取るためという点は大きいです。<br>
端的に言うと、<strong>センター見学をするとクライアント（とマーケット）の解像度が爆上がりするから行く</strong>のです。</p>
<p>事業を進める上で、マーケットの解像度は極めて重要です。</p>
<p>プロダクトを作るにしても、「このプロダクトは誰が、どんな場面で、どんな思いで使うのか？」を具体的にイメージできなければ、使い道のないプロダクトができてしまいます。</p>
<p>プロダクトを届けるにしても、「クライアントのどの業務を代替/改善するのか？」を具体的にイメージできなければ、プロダクトを運用に乗せることはできません。</p>
<p>常に使う人がいる以上、その人が普段何をしていて、どんなことで困っているのかをとにかく知ることが、価値を提供するためには欠かせないのです。</p>
<p>そしてその「クライアントをとにかく知る」ために一番良いのは、現場を直接見に行って一次情報を得ることです。</p>
<p>現場の方にお時間を割いていただきリアルな声を聞くことで理解を深め、そして<strong>深めた理解をプロダクトを通して価値に変換しクライアントに還元する</strong>ために弊社はセンター見学を続けています。</p>
<p>助走が長くなりましたが、ようやく飛び立つ時が来ました。</p>
<h2>プロローグ</h2>
<p>某月某日、三田。<br>
ラーメン二郎 三田本店の吐き出す濃厚な香りが微かに届く小さなテナントビルの５階で、歓喜の声が響いた。</p>
<p>「え！？ようやく自分の番ですか！！？」</p>
<p>入社から数ヶ月、想いを募らせてきたセンター見学に、漸く参加できる時が来たのだ。</p>
<p>思えば、永かった。入社当初抱いていた「今時はノンボイス対応（チャット対応）もあるしコールセンターよりコンタクトセンターといった方が正しいのかな？」という些細な疑問が、時の流れの中で忘れ去られていくほどに—</p>
<p>今回の訪問先は某生命保険会社様のオフィス。</p>
<p>あの大手保険会社の現場を見せていただけるのか。筆者の心は昂った。</p>
<p>参加が決まってからの筆者の動きは、速かった。何の備えも無しに、その日を迎える訳にはいかない。貴重な時間を割いていただく以上、こちらも入念な準備は欠かせない。徹底的なリサーチをせねばなるまい。</p>
<p>センター見学の準備で抑えるべきは、クライアントの基本戦略・現在の進捗率・弊社プロダクトの導入/活用状況・抱えている課題など数多くある。<br>
また、失礼が無いようセンターの一般的な事情も把握しておく必要があるだろう。</p>
<p>社内にある過去の見学ログを読み漁りセンターの一般的な事情を把握し、さらに担当サクセスによるクライアントの現状共有により、必要な知識をインストールしていく。</p>
<p>これらの工程を経て、出来上がった質問リストは40個。どうしよう、こんなに質問する時間あるかな？知らないこと、知りたいことだらけだ・・・</p>
<h2>当日</h2>
<h3>センター概要についてのご説明</h3>
<p>モチベーションは最高潮に、いざ先方オフィスへ。時刻は14時を回った頃。<br>
エントランスでの簡単なご挨拶の後、早速会議室へ通していただく。<br>
名刺交換の後、30分程度でまずは先方コンタクトセンターの概要についてご教示いただく。</p>
<h4>【内容】</h4>
<p>センター全体として取り組んでいるテーマ、拠点（東京/地方エリア）ごとの差異、インバウンド/アウトバウンドそれぞれのコールフローや体制等についてのご説明。<br>
その後、Q&amp;A。</p>
<h4>【感じたこと】</h4>
<p>部署を跨いだ対応も少なくないため応対の後に引き継ぎ書を作成されているが、新人の方はこの作成に手間取ることがあったり、Voicebotの対応でも文字起こしミスがあるため人が起票していたりと、所々に「痒いところ」があることを実感。</p>
<p>フルスキルな人材が育つまでは１年以上はかかると言うお話もあり、改めてコンタクトセンターの業務の幅の広さと深さを痛感しました。</p>
<h3>応対ログの確認</h3>
<p>概要をお話しいただいたあとは、同じく30分ほどを使って（個人が特定できないよう十分なマスキングを施した）応対ログをもとに、どういった応対をされているかをご教示いただく。</p>
<h4>【内容】</h4>
<p>それぞれ異なるお問い合わせ内容での入電への対応。<br>
どちらも用件把握の後本人確認、手続き内容のご説明。<br>
その後、Q&amp;A。</p>
<h4>【感じたこと】</h4>
<p>お客様の問い合わせ内容や音声のトーンに合わせて話し方を変えているベテランオペレーターの手腕は流石と言う他ありませんでした。</p>
<p>今回紹介いただいた応対はどちらもVoicebotで代替可能な内容には感じましたが、音声トーンなどの「お客様に寄り添った応対」という点において人とボットとの圧倒的な差を感じました。</p>
<p>プロダクト開発の際はつい分かりやすい機能に目を向けてしまいますが、特に弊社がターゲットとしているカスタマーサポート市場においてはこういった「お客様の快さ」を重視する必要があると再認識できました。</p>
<h3>モニター、利用ツールを見せていただく</h3>
<p>その後場所を移し、実際に応対をしている執務エリアへ。<br>
入電音とオペレーターの方の話し声が微かに聞こえる中で、実際に使っているPCを元に操作方法をご説明していただく。</p>
<h4>【内容】</h4>
<p>普段使っているツールのご説明、入電時の操作の流れや応対中のツールの使い方などのレクチャー。<br>
その後、Q&amp;A。</p>
<h4>【感じたこと】</h4>
<p>自社構築のツールを使われているとのことでしたが、お客様との会話中に応対用画面とCRMと社内ナレッジを行ったり来たりと、業務難度が高いことが感じられました。<br>
逆に言えば、センターとしての教育レベルが相当に高いことが伺えました。</p>
<h3>ナレッジ管理についてご説明</h3>
<p>最後に、再度会議室に戻りナレッジ管理についてご教示いただく。</p>
<h4>【内容】</h4>
<p>業務項目ごとの対応スクリプトの概要や管理・更新方法、オペレーターの教育についてなどのインプット。<br>
その後、Q&amp;A。</p>
<h4>【感じたこと】</h4>
<p>「これが応対に必要な社内ナレッジの全てです」とお渡しいただいたマニュアルは、誇張抜きで広辞苑より大きかったです。そしてSVレベルになるとこの内容をほぼ全て記憶しているとのこと。凄すぎて若干の恐怖を感じました。</p>
<p>社内一般用・オペレーター用で同じ内容の記事を別々で管理していたりと、マニュアルの維持管理でもかなりの工数がかかっていることが伺えるため、これをITの力で楽にして本来充てるべきところにリソースを投下できるような貢献をしたいと思いました。</p>
<h2>エピローグ</h2>
<p>文体が変わるレベルで、驚きと学びの連続でした。<br>
確かに、デジタル化が進んでいない部分があったり、AIの導入でもっと楽にできる余地は大いにあるように感じます。</p>
<p>その反面、<strong>ただツールを統合したりSaaSを導入するだけでは解決できない問題がある</strong>ということも同時に実感しました。</p>
<p>例えば、社内ナレッジを統合すれば二重管理の手間が減るため大きな工数削減ができるかもしれません。<br>
しかし、そうするとオペレーターがナレッジを読み解くのに時間がかかるようになり、それはAHTの増加につながり、ひいては待ち呼の増加などの顧客体験の悪化につながります。</p>
<p>我々SaaS提供企業は、ただ表面的な課題に対して解決策としてのプロダクトを提示するのではなく、<strong>クライアントのその先のエンドユーザーにまで寄り添っていかなければ、本当の意味でサポートの負の体験をなくすことはできない</strong>のだと痛感しました。</p>
<p>今回の見学では実際の現場を知ることで、弊社プロダクトがどう活きているか、どう活かせるかを深く知るとても良い機会となりました。<br>
帰り道ではサクセスメンバーと「このプロダクトは入れてもらえたら絶対体験が良くなるから提案してほしい」「しかしそうするとこういったリスクが想定できるからどう乗り越えるべきか」など熱い話を繰り広げるまでに至りました。</p>
<h2>後日談。</h2>
<p>と言うか、今回のオチ─</p>
<p>年末から自分はカスタマーエンジニアとして、Voicebotのプロダクト立ち上げに関わっています。<br>
<a href="https://righttouch.co.jp/news/UmmmSdRh">Voicebotは新プロダクト</a>なので、方針の話などにも同席していますが、<strong>この見学の経験が確実に活きています</strong>。</p>
<p>例えば、応対の基本的な流れやVoicebotを組み込んだ際のクライアントの業務フロー検討・Voicebotで発生するACW※など。実際の応対の流れを知っていることで、そこから想像力を膨らませて運用に落とし込んだ際の体験もイメージすることができるようになりました。<br>
<span class="caption">※After Call Work（平均後処理時間）。顧客との通話後にオペレーターが行う作業にかかる時間の平均のこと</span></p>
<p>たった１回の見学で充分な解像度が確保できたとは考えていませんが、それでもこの経験に助けられることは多くあります。</p>
<p>これからも、ただ「クライアントのコスト削減に貢献できるVoicebot」ではなく、「クライアントにとってもエンドユーザーにとっても最高の体験を提供できるVoicebot」を作り、届けていきたいと思っています。</p>
<p>是非、この記事を読まれているあなたも、もしまだであればクライアントの現場に足を運んでみてください。豊富な一次情報を持っているのとそうでないのとでは、極めて大きな差があることをその身を以て体験できるでしょう。</p>
<h3>オマケ（これで本当に終わりです）</h3>
<p>クライアントのオフィスのある街はスイーツで有名だと聞き、早めに現地入りしてランチとティータイムを楽しんでからセンター見学に赴きました。<br>
この梯子のお陰で、最高のモチベーションと集中力によりセンター見学を120%のパフォーマンスで迎えることができました。</p>
<p>弊社の次のオフィス移転先はこんなオシャレなお店がある街だといいなぁ。</p>
<p>【内容】</p>
<p>ランチ：手作りボルシチとピロシキ（どっちも人生初）。どちらもアツアツ作りたて。最高。</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/3be258a2-7fcc-431c-8c34-c2d995d1b8a8/se-01.jpg" alt="手作りボルシチとピロシキ"></p>
<p>デザート：おしゃれなカフェで紅茶と一緒にショートケーキを。何だこのショートケーキは。おしゃれすぎんだろ・・・！</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/e5a7d6f5-11f9-4076-9d00-2fad7db84e71/se-02.jpg" alt="ショートケーキ"></p>
<p>【感じたこと】</p>
<p>とっても美味しかったです。流石スイーツとロシア料理の街。<br>
けどボルシチは熱々すぎて舌が火傷しました。痛かったです。</p>
<p>最後まで読んでくださりありがとうございました。</p>
<p>皆様も、どうかボルシチを食べる時は火傷にお気をつけて。</p>
<h2>最後に</h2>
<p>RightTouchではカスタマーサポート市場を一緒に動かす仲間を絶賛募集中です。<br>
少しでも興味を持った方がいればぜひお話ししましょう！</p>
<p>エンジニア求人情報の詳細<br>
<a href="https://righttouch.co.jp/jobs/engineer">https://righttouch.co.jp/jobs/engineer</a></p>
<p>採用サイト<br>
<a href="https://righttouch.co.jp/recruitment">https://righttouch.co.jp/recruitment</a></p>


セ。〜センター見学の学びについて〜

<p>「あらゆる人を負の体験から解放し、可能性を引き出す」をミッションに、カスタマーサポート（CS）領域に特化したエンタープライズ企業向けSaaS事業を展開する株式会社RightTouchは、プレイドからスピンオフして始まったBtoB SaaSスタートアップです。</p>
<p>昨年、RightTouchでは、1つ目のプロダクトであるWebサポートプラットフォーム「<a href="https://rightsupport.karte.io/">RightSupport by KARTE</a>（以後、RightSupport）」をリリースした際の中心機能であったサポートウィジェットに蓄積していた技術的負債を解消するために、サポートアクションの開発プロジェクトを推進しました。</p>
<p>エンジニアたちが主体的に動き、現場主導で行われた開発の裏側について、取締役CTOの籔悠一（yabu）と、プロダクトエンジニアの追木 智明（ikki）の2人に話を聞きました。</p>
<h2>顧客の要望に応えるなかで蓄積していったプロダクトの負債</h2>
<p><strong>──最初にプロダクトをリリースした後のRightSupportが抱えていた課題について教えてください。</strong></p>
<p>yabu：<br>
RightSupportは、エンドユーザーによる自己解決を促進するために、困りごとが生じたタイミングでFAQを表示できれば、という考えのもと、ポップアップ形式で情報を表示する「サポートウィジェット」という機能を中心にリリースしました。<br>
この機能は、企業がノーコードで配信を設定でき、エンドユーザーがサポートウィジェットをクリックすると、お困りごとの自己解決ができるというものです。リリースからしばらくの期間はサポートウィジェットだけで問題なかったのですが、少しずつ課題が生まれていきました。</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/9c2d2b44-1898-4a75-a52a-21a3072b1115/suppurt_widget.png" alt="suppurt_widget.png"><span class="caption"><center>移行前のサポートウィジェットの画面</center></span></p>
<p>ikki：<br>
お客様からの要望が段々と多様になっていったんですよね。たとえば、サポートウィジェットに表示する文言をカスタマイズしたい、Webサイト内のボタンをクリックするとサポートウィジェットが表示されるようにしたい、表示する内容を分岐させたい、Webサイト内にFAQを埋め込みたい、など。<strong>お客様の要望にはできるだけ応えられるようにと、サポートウィジェットに仕様を追加して開発を進めていたのですが、徐々に限界が見えてきていました</strong>。</p>
<p>yabu：<br>
サポートウィジェットをWebサイトに埋め込むとなったときは、「はたして、それはウィジェットなのか？」という疑問が生まれて。その他の要望と合わせて、実現するためにサポートウィジェットを改良していきましたが、次第に技術的負債が溜まっていきました。</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/da1b4c2f-6d07-4294-b5a8-8e203f4d8db7/IMG_6375.jpg" alt="IMG_6375.jpg"><span class="caption"><center>取締役CTOの籔悠一（yabu）</center></span></p>
<p>ikki：<br>
技術的負債以外にも課題がありましたね。当時、エンドユーザー向けに配信するシステムのフレームワークは、コンパクトさを重視してプレイドでも使用していたものを踏襲していました。一方、管理画面では別のフレームワークを活用していたので、そこの同期が難しい状態でした。たとえば、なにか新しい機能を実装した際に、お客様の画面には反映されているけれど、プレビューの画面には反映されない、といったことが起きていたんです。</p>
<p>yabu：<br>
技術的負債や仕様の負債なども溜まっていって、このままではいけないと社内で話になることも増えました。サポートウィジェットを軸に体験をつくるのではなく、体験をつくるために必要なコンポーネントを用意し、組み合わせられるようにしたほうがいいのでは、といった議論を重ねて。サポートウィジェットのまま改善していくことは止めて、工数をかけてでも<strong>理想のWebサポートを実現するための開発に着手しました。</strong></p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/56e4df07-7672-4a62-b261-a2c957773bf0/support_action.png" alt="support_action.png"><span class="caption"><center>新たに開発したサポートアクションの画面</center></span></p>
<h2>チームで進めたサポートアクションの設計と開発</h2>
<p><strong>──理想とするWebサポートの実現に向けて、まずどんなことから取り組んだんですか？</strong></p>
<p>yabu：<br>
サポートウィジェットと比較して、<strong>より汎用的で将来的な拡張性を持った機能を開発しようと思い、チームで仕様を描きました</strong>。ただ、最初は理想を描きがちなので、キャンパス上でコンポーネントとコンポーネントをつないでアクションを構築していくものをつくろう、とGUIがっつりな仕様を描いていました。そうしたら、社内のエンジニアから「もっとシンプルでもいいのでは？」と海外の事例と合わせて提案されてしまって（笑）</p>
<p>ikki：<br>
<strong>yabuさんがビジョナリーに理想を語りつつ、周りのメンバーが現実的な解を見つけていく</strong>のが、RightTouchのエンジニアリングの特徴でもありますね。自分はそのなかで「どうしたらバランスがとれるだろうか？」と考えながら、仕様の設計に参加していました。</p>
<p>タイプが異なるエンジニアの恊働についてはこちらの記事もどうぞ。</p>
<ul>
<li><a href="https://blog.righttouch.co.jp/interview1-rightsupport">コンセプトもデータも重視。タイプの異なるエンジニアたちが連携して事業成長に貢献するRightTouchの開発現場</a></li>
</ul>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/8df2347e-ea12-4b0c-b0ad-a8c7f8953286/IMG_6360.jpg" alt="IMG_6360.jpg"><span class="caption"><center>プロダクトエンジニアの追木 智明（ikki）</center></span></p>
<p>yabu：<br>
メンバーとの議論を経て、改めてタスクをひとつずつ設定していけば完了するような、<strong>お客様にとって使いやすいUIになるように</strong>仕様を検討。将来性も考慮して、コンポーネントを組み合わせて、さまざまなことを実現可能にしていけるモデルを設計しました。</p>
<p><strong>──仕様設計の次は何に着手を？</strong></p>
<p>yabu：<br>
まずは、プロトタイプをつくりましたね。サポートアクションの開発をするまではプロダクトの中での開発が中心でしたが、<strong>大型の開発をするために「サンドボックス」をつくって、実験をしていきました</strong>。実験と議論を繰り返しながら、モデルの型を固めていきました。<br>
モデルの形を定義する力を高めるために、TypeScriptの型をクイズ形式で勉強するサービスをチームみんなでやろう、という話になったんです。そしたら次の週には、nariさんが「自分がわからない姿を見せるのが嫌だから」ってひとりで全部解いてしまった、なんてこともありました（笑）結局、Devメンバーが集まるランチミーティングのときに、わいわいみんなで挑戦しました。</p>
<p><strong>──なんだか楽しそうな雰囲気ですね（笑）</strong></p>
<p>yabu：<br>
大変なプロジェクトではありますが、シリアスな雰囲気にはならなかったですね。実験を重ねたおかげで、仕様も決まり、柔軟なモデルもできたので、あとはチーム全員でサポートアクションを実装していきました。実際に形になった機能を触ったときは、純粋に楽しかったですね。<br>
ある程度、実装が進んだ後は、社内でお披露目をして、しっかりとドッグフーディングを実施。おかげで、<strong>開発チームだけでは気付けない問題点も見つけることができて、修正を進めて完成度を高めて</strong>いきました。</p>
<h2>顧客の協力のもと、サポートアクションへの移行を進める</h2>
<p><strong>──サポートアクションの開発が完了した後、移行をどのように進めていったのでしょうか？</strong></p>
<p>yabu：<br>
開発がおおよそ終わったのが2023年の年末、2024年1月にサポートアクションをリリース。このタイミングで、RightTouchでテックリードとして複数のプロダクトを横断的に見ているnariさんが異動のためチームから抜けて、サポートアクションへの移行をikkiさんがリードすることになったんですよね。</p>
<p>ikki：<br>
そうなんです。「やります！」って言ったはいいものの、内心は何からやればいいんだろうと不安でしたね（笑）まずは現状把握から進めて、設定されていたサポートウィジェットが全部でどれだけあるのか、どんなお客様がどのようにサポートウィジェットを使用中なのか、などを確認していきました。<br>
移行には、カスタマーサクセスの協力が必須だったので、4名のカスタマーサクセスメンバーと毎週定例会議を実施して、それぞれのお客様の移行状況を確認するようにしました。お客様は「そもそもサポートアクションとはなにか？」ということがわからないので、頭出しをしながら移行を進めていきました。</p>
<p>yabu：<br>
サポートアクションの開発を進めている際に、どうやって移行をしていくかについても練らないとな、とは考えていたんですよね。たとえば、サポートウィジェットをサポートアクションに変換するロジックを組んで、自動で切り替えるシステムをつくれないか、など。開発し始めたときには考えていたものの、開発自体にリソースがかかってなかなか移行については追いついていない状況だったんですよね。</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/ee947e4e-5591-4568-b74b-3ebe3252141e/IMG_6352.jpg" alt="IMG_6352.jpg"></p>
<p>ikki：結局、システマチックに一括で移行するのは、各お客様の状況に合わせて対応するのが難しかったため、見送りにしましたね。当時は、お客様の数もまだ60〜70社ほどだったので、人力での移行を進めることにしました。<br>
当時のサポートウィジェットの数は、全体で合計1500ほど。お客様ごとに偏りがあって、積極的に活用しているお客様であれば100種以上のサポートウィジェットを設定してました。このサポートウィジェットは将来的にコードをなくすことが目標なので、ひとつでもサポートウィジェットを残すわけにはいきません。すべてのサポートウィジェットを移行する必要がありました。</p>
<p><strong>──お客様への働きかけはどう進めていったのでしょうか？</strong></p>
<p>ikki：<br>
「これまでのサポートウィジェットよりも、サポートアクションのほうが圧倒的にいろんなことをできるんです！」、ということを丁寧に伝えていきました。たとえば、説明会を開催して、お客様のやりたいことはサポートアクションでさらに実現できると伝えました。<br>
「できることが広がるのなら」と、喜んで移行に対応してくれたお客様もいらっしゃいましたね。<strong>協力してくださるお客様が多くて、これはカスタマーサクセスのメンバーが日頃から関係を構築できていたから</strong>こそ実現できたことだと思います。<br>
移行されて減少したサポートウィジェットの個数を可視化して、サポートアクションのほうが個数が大きくなったタイミングでSlackに共有して「超えました！」と投稿したり、移行状況をグラフ化したりして、お祭り感を出すようにしました。</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/ab6453d7-a2b1-4a01-b7b8-7e9aac439e35/image6.png" alt="image6.png"><span class="caption"><center>移行状況のグラフを共有した際のリアクション</center></span></p>
<p>yabu：<br>
新しいメンバーにサポートアクションへの移行を担当してもらって、新機能のオンボーディングを兼ねるなど、メンバーの巻き込みはいろいろ工夫しながらしましたね。</p>
<p>ikki：<br>
ほかには、サポートアクションの機能をつかって、サポートウィジェットの機能がクローズするというお知らせを出すなどの活用もしました。思い浮かぶことを試しながら、お祭り的に進めていきました。<br>
移行は2024年2月からスタートし、ほとんどの移行は4月には完了。一部、動作確認が必要なお客様がいたため、そこから2ヶ月ほどかかって、6月ごろに移行完了。この移行は、RightTouchが経験した移行プロジェクトとしては相当に大きいものだったので、やりきれたことで自信につながりました。</p>
<h2>「全員プロダクト担当」だから素早く実現できた新機能への移行</h2>
<p><strong>──サポートアクションに移行してみて、感触はどうですか？</strong></p>
<p>yabu：<br>
サポートウィジェットのときに複雑になりすぎて実装できなかった機能を、サポートアクションに切り替えることで数多く追加できるようになりました。以前は、既存機能との兼ね合いを考えながら新機能を開発しなければなりませんでしたが、サポートアクションではコンポーネント間の結合度が低いため、新機能の開発に集中しやすくなりました。これからもさまざまなコンポーネントを追加していく予定なので、<strong>さらにサポートアクションを進化させられるのは楽しみ</strong>ですね。<br>
開発以外のことも含めると、今回のサポートアクションの開発と移行は、会社にとって大きな変更です。これを実行できたのは、自分以外の経営層も今回の件に対して「本質的に価値のある移行であり、コストをかける必要がある」と理解し、意思決定したことが良かった。Devチームに対する信頼もあり、<strong>「全員プロダクト担当」というMind（RightTouchのValue）のもと、部署をまたいでワンチームで動けた</strong>ことで、スピード感をもって話を進めることができました。</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/3c36c681-19ec-41b3-9438-9b7628890f42/IMG_6400.jpg" alt="IMG_6400.jpg"></p>
<p>ikki：<br>
新旧の機能が混在していると新機能の価値がすべてのお客様に届かず薄れてしまうので、この移行はなんとしてもやり切らなければならない、という強い意志があったことも、推進の後押しになったと思います。技術的負債や仕様の負債を、いつ解消するのかというタイミングは常に難しい問題です。今回はあえて工数を投じてでも<strong>思い切って作り直す決断をしたことで、RightSupportで実現できることの幅が大きく広がった</strong>と感じています。</p>
<p>共に「あらゆる人を負の体験から解放し、可能性を引き出す」というミッションの実現に挑むプロダクトエンジニアを募集しています！</p>
<p>関心のある方は、下記の募集をぜひご覧ください<br>
<a href="https://righttouch.co.jp/jobs/engineer">https://righttouch.co.jp/jobs/engineer</a></p>
<p>RightTouchの採用情報はこちらから<br>
<a href="https://righttouch.co.jp/recruitment">https://righttouch.co.jp/recruitment</a></p>


「全員プロダクト担当」で挑んだ技術的負債の解消。新機能への移行プロジェクトの裏側

<p>RightTouchでは、カスタマーデータをもとにプロダクトや機能の開発・改善を行っています。当社の「カスタマーデータドリブンなプロダクト開発」とはどういったもので、どんなやりがいがあるのか、RightTouch テックリードの齋藤に話を聞きました。</p>
<p>「<a href="https://karte.io/">KARTE</a>に豊富なカスタマーデータが蓄積されているからこそ、スムーズに精度の高い分析ができる」と語った齋藤。具体的にどのようなデータをどう開発に活かしているのかまで詳しく迫ります。</p>
<h2>カスタマーデータドリブンな開発とは</h2>
<p><strong>──まずはカスタマーデータドリブンな開発とはどういったものかを教えてください。</strong></p>
<p>齋藤：</p>
<p>カスタマーデータドリブンな開発は、ユーザーの利用状況などの「カスタマーデータ」を活用してプロダクトや機能を開発する手法のことです。たとえば、新しいマーケティングツールを作るとしたら、「どの機能がどんな人に使われているか」をデータで分析しながら開発するイメージです。</p>
<p>データを用いない開発だと、自分の感覚や経験しか頼りになりません。「ユーザーはこんな機能を求めているだろう」という自分の考えと、ユーザーが実際に必要とする機能とがいつも一致するとは限らないので、感覚や経験だけではズレてしまう可能性がありますよね。そうなれば、できあがったプロダクトや機能が役に立たないなんてことも考えられます。<br>
もちろん、お客様にインタビューさせていただき、お声をいただくことも多くありますが、それだけでは本当の利用実態は十分に把握できません。</p>
<p>カスタマーデータドリブンなら、<strong>自分の考えや仮説が正しいかをカスタマーデータで検証しながら開発できるため、大きく外す可能性を低くすることができます</strong>。開発の途中で「この考えは違うかもしれない」と思ったときには、すぐにデータで確かめられるんです。</p>
<h2>RightTouchにはカスタマーデータドリブンな開発を行ううえで、これ以上ない環境が整っている</h2>
<p><strong>──RightTouchでは、どのようにカスタマーデータドリブンな開発を実施しているのでしょうか？</strong></p>
<p>齋藤：</p>
<p>グループの母体である<a href="https://plaid.co.jp/">プレイド</a>が提供している、「<a href="https://karte.io/">KARTE</a>」の分析機能を使っています。</p>
<p>KARTEには「クライアントの担当者が弊社のプロダクトや機能をどれくらい使っているか」というデータが豊富に蓄積されていて、このデータを分析しているんです。</p>
<p>既存プロダクトの機能改善はもちろん、新規機能の検討にも活用しています。</p>
<p><strong>──プロダクト開発にデータ分析を取り入れることは、さまざまな企業が実施していると思います。そんななかで、RightTouchのカスタマーデータドリブンな開発ならではの良さにはどんなものがありますか？</strong></p>
<p>齋藤：</p>
<p><strong>KARTEという強力なデータ基盤をプロダクト分析に活用しているおかげで、すぐに分析して開発提案ができる</strong>ところです。</p>
<p>たとえば、自分が作りたいプロダクトや機能があったとして、一般的な開発環境だと、データドリブンにしたくても、すぐに着手ができないケースが多いと思います。例えば、分析したいデータが手元になくて、まず取得から始めないといけないとか、時間をかけて集めたデータの質がイマイチで取り直しになるとか、あるあるじゃないでしょうか。</p>
<p>ですが、RightTouchで利用するKARTEはデータの収集力と分析力が高くて、仮説検証を高速に進められますし、精度もかなり高いです。なので、すぐにプロダクトの仕様検討にデータを取り入れることができます。</p>
<h3>データにもとづくから、ローンチ後に悲しい思いをしなくて済む</h3>
<p><strong>──齋藤さんが考える「カスタマーデータドリブンな開発」の良さを教えてください。</strong></p>
<p>齋藤：</p>
<p>「手探りではなく、精度の高い試行錯誤を繰り返しながらプロダクト作りを進められるところ」です。</p>
<p>カスタマーデータを踏まえた開発なら、ユーザーの反応と行動を、数字やログで把握しながらプロダクト作りを進められます。どうすればもっと使ってもらえるのか、データをもとに仮説を立て、その結果をまたデータで検証する、という試行錯誤が可能です。</p>
<p>結果として、「頑張って作ったが価値が生まれず無意味」などのつらい思いをすることが少なくなりますし、数字を見ることで「ユーザーの役に立っている」「貢献できている」という実感を持てています。<br>
また、<strong>データ分析するたびに「こういうインサイトがあったんだ」と新しい発見があるのも楽しい</strong>です。</p>
<p>データドリブンな開発が「超楽しいか」は人それぞれだと思いますが、個人的にはデータを見ながら一歩ずつ進められるので、進んでいる実感から「モチベーションの維持」につながっています。</p>
<h2>カスタマーデータを分析して開発した2つの実例</h2>
<p><strong>──齋藤さんは普段、どのようなプロダクト開発をしているのでしょうか。具体的に教えてください。</strong></p>
<h3>【例1】RightSupportの利用状況を分析して機能を追加・改善</h3>
<p>齋藤：</p>
<p>私たちのメインのプロダクトである<a href="https://rightsupport.karte.io/">RightSupport</a>で、まさにカスタマーデータドリブンな機能開発・改善をしています。</p>
<p>Web上のユーザー行動を解析できるKARTEの計測タグをRightSupportの管理画面に埋め込んで、「ユーザーがどの機能を、どのくらい、どのように活用しているのか」といった利用状況を精緻に分析し、それをもとに開発をしています。</p>
<p>例えばRightSupportユーザーが管理画面で何をしているかを、KARTEのダッシュボードで集計する分析です。（下図）</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/9b6e997e-ca16-4790-8fc9-8921af58fb70/qddash.png" alt="qddash.png"></p>
<p>この分析では、機能ごとに「何が使われて、何が使われていないか」がわかるので、作った機能の定量的な振り返りができます。機能追加・改修の際には、エンジニアとビジネスメンバーが一緒にダッシュボードのデータを見て、「どんな機能にすれば使われやすいのか」を話しあうこともよくあります。</p>
<p>ちなみに裏側の仕組みとして、ダッシュボードに自然にデータが溜まっていく構造にするため、エンジニアが誰でも気軽にイベント（※分析対象の行動のこと）を追加できるよう工夫しています。具体的には、管理画面のコードを数行調整するだけです。ダッシュボード側の集計操作をいじらなくても、自動で新しいカテゴリごとのイベントを集計・可視化できます。</p>
<h3>【例2】KARTE Liveで有事では現れにくいユーザーの行動を分析</h3>
<p><strong>──既存機能ごとの利用状況をデータで見れるのは便利ですね。</strong></p>
<p>齋藤：</p>
<p>はい。とはいえ、定量的なデータだけでは、ざっくりした利用状況はわかっても、細かいUIの使いづらさなど、数字に現れにくい部分の把握は難しいです。</p>
<p>そこで私たちは、不定期で「<strong>クライアントのKARTE Liveを見る会</strong>」を実施しています。</p>
<p><a href="https://karte.io/product/live/">KARTE Live</a>とは、ユーザーのWebサイト上での行動を、マウスの動きまで含めて動画再生できるプロダクトのことです。Liveを見る会では、エンジニアとプロダクトマネージャの各メンバーを中心に、RightSupportの特定の機能を使っているクライアントのLive動画をひたすら見ていきます。<br>
※Liveのマスキング機能を用いて必要以上の管理画面行動データは取得せずに行っています</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/33892a23-633e-4c3a-a568-0357d23564fa/live.png" alt="live.png"></p>
<p>その後、機能ごとに気になるクライアントの行動をピックアップして、気づきをまとめて議論します。</p>
<p><img src="https://ik.imagekit.io/righttouch/2c013f6a-16d7-48f3-9808-62644e927dce/live%E3%82%92%E8%A6%8B%E3%82%8B%E4%BC%9A.png" alt="liveを見る会.png"></p>
<p>実際に上の図でお見せしているKARTE Liveを見る会では、「レポート・分析画面にデータが入っていないと、クライアントがすぐに離脱してしまう」という、定量データでは気づかなかった課題を発見できました。</p>
<p>この発見をもとに、レポート・分析画面にデータが入りやすくするよう集計やUIの見せ方を工夫するプロダクト改善を行えました。</p>
<h2>評価が数字で表れるのが魅力</h2>
<p><strong>──RightTouchでプロダクト開発をしていて良かったと思うことはありますか？</strong></p>
<p>齋藤：</p>
<p><strong>プロダクトとともにエンジニアとしても成長して行ける</strong>ところです。</p>
<p>数字を見ながら開発を進めるので、入社したときに比べて、データを見る力や分析力、仮説を立てる精度ともに上がったと実感しています。もちろん、開発のスキルも向上しました。開発者として必要な力が身についてきていると思います。</p>
<p><strong>──カスタマーデータドリブンな開発の&quot;やりがい&quot;は何ですか？</strong></p>
<p>齋藤：</p>
<p>先ほどもふれましたが「<strong>ユーザーの反応がわかる</strong>」ところです。</p>
<p>私たちが取得しているデータのなかには、「自分が開発した機能が利用してもらえているか」も含まれています。そのデータを見れば、<strong>ユーザー使ってもらえていることが数字でわかるので、作ったかいがあったなと実感できます</strong>。「自分が作った機能が誰にも使われていないのでは？」と確認できないままの疑心暗鬼状態では、作りがいを感じにくいですよね。</p>
<p>設計からデプロイまで各社員の裁量にゆだねられる部分が大きいチームであるからこそ、ユーザーの役に立ったときには、その<strong>評価が明確に数字として表れるのがRightTouchでのカスタマーデータドリブンな開発の魅力</strong>です。</p>
<h2>プロダクトの「おもしろさの確度」をぐっと高められる開発環境</h2>
<p><strong>──齋藤さんから見て、RightTouchの開発はどんな人に向いていると思いますか？</strong></p>
<p>齋藤：</p>
<p>一言で表すと「プロダクト志向」の人に合っていると思います。</p>
<p>RightTouchは作りたいプロダクトや機能があったときに、すぐにデータ分析やヒアリングなどを通じて仮説検証をしつつ、現場のエンジニア主導で開発を進められる環境が整っています。そのため、「おもしろいプロダクトを作りたい」人にとっては、理想の会社ではないでしょうか。本当に「おもしろさの確度」を高めやすい開発環境です。</p>
<p><strong>「どうやったらお客様が喜んでくれるプロダクトに成長させられるか」を考えながら試行錯誤することを楽しめる人</strong>がいたら、ぜひ一緒に開発を進めていきたいですね。</p>
<h2>一緒に働くメンバーを募集中</h2>
<p>RightTouchでは、開発を一緒に進める新たなメンバーを募集しています。</p>
<p>顧客と企業の接点として貴重な場であるカスタマーサポートにおいて、顧客体験の向上、そして従業員体験の向上を目指して事業とプロダクトを展開しています。</p>
<p>カスタマーデータを活用してインパクトのあるプロダクトを作りたい方や、妥協しないチームの一員として挑戦してみたい方は、ぜひご応募ください。</p>
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<p>また、Wantedlyでもエントリーを受け付けています。応募を悩まれている方は、まずはブックマークを登録ください。<br>
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<p>新しい仲間に出会えることを楽しみにしています。</p>


RightTouchの「カスタマーデータドリブンな開発」についてテックリードへ話を聞きました

プロダクトとともに自分も成長する。RightTouchのテックリードが語る「カスタマーデータドリブンな開発」とは

RightTouchの社内技術勉強会で話した「良いHTML、CSSの書き方」について紹介します。

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